女の子たちが夢見るシンデレラ。
かつて、その夢を実現したハリウッド女優がいました。
類まれなる美貌で、シンデレラの階段を登りつめた、グレース・ケリーです。
非の打ち所のない完成された美貌と、幼い頃から真面目な努力でつちかった彼女の知的な演技をもって、マスコミからは、よそよそしくお高い女優だとのレッテルを貼られましたが、実際にはとても陽気で快活な女性だったそうです。
1929年、良家の子女として生まれ、何不自由なく育ちましたが、最愛の父は、彼女の姉ばかりを偏愛したため、彼女の半生は、父の愛を獲得する目的だけに突き進まれていたといっても過言ではないでしょう。
名作『喝采』でアカデミー主演女優賞を獲得したとき、彼女はインタビューにこう答えました。
「ようやくケリー家の一員になることができました」
1955年、カンヌ映画祭のために南フランスを訪れたケリーは、モナコ公国のレーニエ大公と運命的な出会いをしますが、これは『パリ・マッチ』誌のお膳立てによるものでした。
『サン』誌の熱愛報道が決め手となって結婚にいたったもう一人の悲劇のシンデレラ、イギリス元皇太子妃ダイアナをほうふつとさせるではありませんか。
翌年には結婚。まさに映画を地でいくシンデレラ・ストーリーを実現させた彼女ですが、やはり、慣れない王室のうえに言葉も通じない外国での生活に苦労を強いられましたが、王妃の公務に真摯に務め、有名なモナコバレエ団の設立に尽力するなど、着実に人望を集めていきました。
子供のスキャンダルに悩みながらも、麗しいシンデレラを完璧に演じ続けたケリーですが、1982年、娘のステファニーとドライブの最中、カーブを曲がりきれずに崖から滑り落ち、翌日、脳内出血により他界しました。
レディー・ダイアナが英国王室に嫁いだ翌年の出来事でした。
新しいシンデレラの登場。・・・その15年後に、先のシンデレラと同じく謎と疑惑に満ちた自動車事故により不遇の死を遂げるとは、誰も予想だにできなかったことでした。
<HOLLYWOOD REMEMBERS>グレース・ケリー・フィルムス
↑名作をダイジェストにまとめたメモリアル映像集。モナコ大公との華麗な結婚を記録した貴重なフィルムもおさめています。無敵の美貌です。
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