(2月16日創刊号掲載)
30万人にせまる被害者数を出したスマトラ沖大地震の惨事。
あの細木数子女史がその災害を占っていたとの話が波紋を呼んでいる。
予知が事実とすれば、たとえバラエティー番組の中の1コマででも、その御託宣をたまわらなかったことは、はなはだ遺憾だと。
たしかに、女史は、当たるも八卦の「たかが占い」の分野で、「されど占い」、タレントの改名依頼まで引き受ける、いわばメディアから信頼を得て、世間にある程度の影響を与えうる立場に今まさに君臨している。
その影響力で、テレビの向こうの、彼女の信奉者の一部でも、たとえ一人でも、その託宣で被害から逃れることはできなかったか。チマタでちょっとした論争になっているようです。
占いの真偽はともかく、「IF」を議論し続けるのも空しいことでは。今後どうしたら災害を防げるか。どう復興するか。
・・・自らも津波で被災しながら、にわかごしらえの出店で観光客相手に「TSUNAMI」の写真集を売っていた地元のおじさんの、たくましい笑顔に胸をうたれつつ、たびかさなる異常気象災害・・・大予言者にはもっとすさまじい終末のビジョンがすでに見えてしまっているのかしらと、光化学スモッグのせいか異様に大きく真っ赤に見える満月を見上げるのです。
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